憲法改正の議論について

今日は憲法改正の議論について書いていきたいと思います。ただ今回は、具体的な憲法9条や13条の幸福追求権がどうとかを書くのではなく、主に改正の議論はなぜ必要かについて書いていきます。

 

 つい先日Twitterで「#憲法は権力者をしばるもの」がトレンド入りしているのを目にしました。詳しくは見ていないのですが、権力者である政治家(主には安部前総理などを指している)が「憲法を改正したい」と口にすべきではないといったものだったと記憶しております。確かに、”憲法は権力者をしばるもの”というのは至極まっとうであります。義務教育を受けた人であれば、“憲法最高法規で権力の暴走を防ぐ役割があり改正には国民投票が必要”と習ったことでしょう。現に憲法を改正するには、衆参両議院でそれぞれ総議員の2/3以上の賛成で発議されたあと、国民投票において賛成票+反対票の総数の過半数以上の賛成票を得られなければ改正憲法が公布されることはありません。このように改正に厳しい要件を入れている憲法のことを硬性憲法と呼びます。しかしながら、Twitterでトレンド入りしたハッシュタグの趣旨のように政治家側が改正の意欲を公言することさえも許されないのかというとそうではありません。そもそも、政治家は権力側といえども元は国民から選ばれた代表者であり、国の在り方を示す憲法についての理想を掲げるのも当然であります。現に、自民党や維新の会も憲法改正マニフェストに入れた上で議席を獲得しているわけであり、現憲法をそのまま維持したいのであれば立憲民主党共産党に投票すればいいだけであります。それに、憲法についての国民的な議論を進めるには政治家が声を上げ、メディアに取り上げてもらい広く国民に憲法改正について知ってもらわなければ改正するにしても維持するにしても国民自身が現憲法は今の時代に即した憲法なのか検証することさえできません。もちろん、政治家が明らかに平和主義や基本的人権を無視する改正案を出したのであれば非難して即刻権力の座から引きろさなければなりませんが、今議論しようとしているのは主に憲法9条への自衛隊の明記についてであります。知っての通り、自衛隊は中国や北朝鮮など軍事的に危険な国に囲まれる日本の主権を守るために極めて重要な役割を負っています。にもかかわらず、はじめて9条の条文を読んだ人には自衛隊違憲ではないかと思われますし、そう解釈する憲法学者も相当数います。これでは「あなたたちは憲法違反の存在かもしれないけれど、命がけで国を守るのが任務だ」自衛隊員の諸君に言っているようで申し訳が立たないと、少なくとも私はそう思うわけであります。

 

 とはいえ、憲法は国の在り方を示すため改正次第では我々の自由に影響を及ぼす可能性もあります。しかし、終戦時直後に作られた現憲法の全ての条文が令和のこの時代に適合しているとは必ずしもいえず、議論は進めていくべきだと思います。ちなみに、現憲法は公布後の時代の変化によって生まれる新人権のために幸福追求権も備え、極めて自由主義に適合したものだと思いますが、少なくとも9条は自衛隊を想定していなかったと考えます。なぜなら、現憲法終戦後にGHQ(連合国軍総司令部)によって策定されたものであり、少なくとも策定時においてGHQは日本の非武装化を目指しており、その時には自衛隊の前身となった警察予備隊の創設もあまり想定していなかったと考えられるからです。したがって、護憲派改憲派も議論はすべきであり、常に憲法改正及び国民投票法改正法案の議論すらも拒絶する立憲民主党共産党は考え方を改めるべきであり、審議拒否という幼稚なパフォーマンスを取らないでいただきたいと切にお願いしたいと思います。

官僚の働き方改革について ~イメージとかけ離れた公務員の働き方とは~

今回のテーマは、官僚の働き方改革について扱っていこうと思います。ここ最近、行政のデジタル化推進という言葉をよく耳にしますが、それと関連して現役官僚の方や元官僚の方々がSNS等で官僚の仕事を効率化して働き方改革を推進すべきという声も聞こえてくるようになりました。本記事では、“なぜ官僚の働き方改革が叫ばれているのか”についてこれから官僚(公務員)を目指されている方向けに書くと同時に、官僚の働き方などというテーマが一般国民にどう関係するのかについて書いていこうと思います。

 

1.対象と現状

 ひとくくりに官僚などと言っていますが、正確に言うと国家公務員と称される公務員は全て官僚となります。ですが今回は、中央省庁で働く国家公務員、とりわけ国家総合職採用試験で採用された公務員(世間一般に言うキャリア官僚)についての働き方改革について話していきます。もちろん、国家一般職採用の職員として中央省庁で勤務される方々も総合職採用の職員と同様の働き方をしていることも多いのでこれから書くことに当てはまると思います。さて、こうした中央省庁で働く国家公務員の業務については後ほど書きますが、簡単に言うと国に関わる政策を作り、法や制度を立案することです。わかりやすい例を挙げると、GOTOトラベルキャンペーンが挙げられると思います。このキャンペーンを継続するか否かといった判断はもちろん我々の代表者たる大臣や首相がしますが、どのような制度にするかやどのように予算を振り分けるのかといった実務は中央省庁で働く国家公務員が行います。それ以外にも、年金や生活保護といった制度の立案もそうした公務員が行っているし、日々の国会での大臣や首相の答弁もそうした公務員が作っているので、今に限らず昔から多忙な職業だといえます。そして官僚を目指す学生なども、ある程度多忙なのは覚悟の上で「この国をよくするために頑張りたい」という熱意を持って志望するわけであります。ではなぜ、今になって働き方改革が必要なのか書いていきたいと思います。

 

2.官僚とは?

 前章では、官僚の仕事について簡単に説明しましたが、ここではより詳細にそして官僚が多忙にせしめている原因は何かについて書いていこうと思います。まず、昔の官僚の働き方と今の官僚の働き方の違いについて書いていきたいと思います。その違いが如実に表れているのが、官僚主導から政治主導になったことです。もちろん政治主導といっても、首相や大臣が担当する全ての行政分野について完璧に把握しているわけではありませんから、官僚が細かな制度設計やその制度を導入することで利益を受ける人とそうでない人との公平性の調整をすることには変わりありません。ただ、政治主導ということは国会議員が各省庁の行う政策・法や制度設計に口を出すようになり、官僚はそれら国会議員に説明をして場合によってはその制度設計などの仕事を一からやり直す作業が発生するようになりました。ここ最近の例を挙げてみるなら、GOTOトラベルキャンペーンで東京都や大阪府が一時対象外とする件について「観光庁の担当者が今日も徹夜だと言っている」という報道が出されたことが挙げられます。もちろん、我々の代表者である国会議員が国民の声に耳を傾け、実際に国民にサービスを提供する行政府に口出しするのは民主主義的には望ましく、官僚が国会議員に説明して場合によっては一から制度を変えるというのは必要なことであります。しかしながら、現役官僚の声を聞いていると「国会前日の17時を過ぎても質問者から質問通告が来ない」や「野党合同ヒアリングが怖い」という意見を耳にします。官僚の仕事のひとつは、大臣が国会に立つ日までに、大臣に質問してくる国会議員への答弁を作成して大臣の許可をもらうことなので、その議員からの質問通告の内容が明らかになり答弁書を作成しないと帰宅することはできません。

※質問通告⇒国会での議員の質問と大臣の答弁はアドリブではできないので、質問する内容に関係する省庁に事前にどのような質問内容かが通告される。

 野党合同ヒアリング⇒問題となっている政策や制度に関して野党議員が担当者(主に課長級)にヒアリングを行うこと。

 

3.なぜ官僚の働き方改革が必要なのか?

 ここまで見ていただいた読者の中には「忙しいとは思ったが、1.に書かれているように志望する学生は覚悟の上なのだからいいのではないか」という意見があると考えられるので、なぜ官僚の働き方改革が必要なのかについて書いていきます。

 まず1つ目は官僚自身のためです。官僚は、省庁や部署にもよりますが国会会期中には始業の2時間くらい前に出勤し、夜中の2時3時に帰るのが常です。そして、国会の会期は臨時国会も合わせると約8ヶ月程度開かれます。人事院の平均残業時間のデータをみると他と比較して残業時間が多くありませんが、実際の官僚の声や国会会期中の霞ヶ関にある中央省庁の建物から漏れ出る照明を見れば、どれほど少なく見積もっても月残業時間は3桁になっていると思われます。月の残業時間が100時間を超えれば心身ともに悪影響を及ぼすことは医学的にも証明されています。こうした状況においては、どんなに健康な官僚でも体調を崩してしまいます。また、長時間労働が続けば、出産・育児をする女性職員もどんどん退職していってしまい、女性活躍社会の実現という現在の日本政府の方針にも反してしまいます。

 そして2つ目は国民のためです。先述しているとおり我が国の主要な制度・法律の立案とその後の改善提案は官僚が行っています。これは、議院内閣制である以上は仕方ないし、国会議員は国民の代表者であって行政のスペシャリストではないので仕方がないことです。なので、官僚なしには国民へのサービスは作れないとも言えます。そして現在、いわゆるキャリア官僚を目指す学生は減少しており、一般職でも中央省庁勤務は敬遠されるようになってきました。特に重要政策の立案を担当するキャリア官僚に優秀な人材が集まらなければ政策の質も落ちてしまいます。政策の質が落ちれば、本当に公助が必要な国民を助けることはできません。この意味において、学生が官僚志望を敬遠する大きな理由となっている長時間労働の是正することが必要です。また、長時間労働を是正できれば税金でまかなわれる官僚の残業代も減らすことができます。さすれば、官僚を目指す優秀な学生は増えることでしょう。官僚の仕事は、給料は大手企業に比べて良くないとしても日本という国を動かせるやりがいのある仕事であるはずですから。

 

4.ではどのように改善していくか

 やはり国会議員の意識を変える必要があります。なぜなら、政治主導である以上は行政の専門家である官僚と国民の代表者として国の方針を決める国会議員の関係は切っても切り離せないからです。追記すると、政治主導は民主主義として理想であるためこの原則は残すべきです。具体的に国会議員の意識を変えるというのは、例えば先述した質問通告を余裕を持って通告するようにすると国会においてルールを決めるべきです。質問通告が国会の数日前にきていれば余裕を持って対応することができます。余裕を持って対応できれば、無駄な待機時間が減る上、どのような答弁にするのか時間をかけて検討できるので仕事のパフォーマンスも上がると思います。また、野党合同ヒアリングの出席者も課長級の職員でなく、政務官副大臣など政治職の役職に立つ者がするべきです。先述の通り、このヒアリングは問題となっている制度などについて野党議員が省庁側に問いただすものです。現在、このヒアリングには担当課長などが矢面に立たされます。しかし考えてみると、民間企業で何か問題が生じてメディアや消費者の前に立って説明するのは現場の責任者ではなく、社長や取締役などの企業全体の責任者です。こうしたことからも、現在の野党合同ヒアリングの異常性がうかがえます。最後にペーパーレスも推進すべきです。国会中継や野党合同ヒアリングのテレビ報道を見ていると紙の書類の多さが目立ちます。こうした書類は、いちいち官僚の手で刷られており貴重な業務時間を割きます。こうした書類のほとんどは電子化でき、電子化されれば印刷作業はなくなり、誰かに渡す場合でも電子メールやクラウドで共有でき効率化を図れます。これを言うと、“省庁の幹部や国会議員の中にはITに弱い人がいる”という者がいますが、どのような仕事であれ効率化のために努力をするのは社会で働く人間の当然の責務です。それができないのであれば、さっさとその業界を引退するのがその人のためでも、組織のためでも、社会のためでもあります。

 

5.まとめ

 これまで指摘してきた以外にも効率化できる業務もあると思います。働き方改革をするには、まずは官僚を動かす国会議員が意識を変え、実際に現場で働く官僚の声を聞きながら慣習(必要であれば法律)を変えていく必要があると思います。そして、主権者たる我々国民も官僚の質が行政サービスの質につながるのだと考え、関心を持つべきだと考えます。ちなみに「公務員の数は減らせ、福祉を充実させろ」という方々がいますが、この2つは二律背反であります。昔マスコミが「日本は公務員数が多い」などとお得意のデマを流していましたが、日本の人口あたりの公務員数が主要先進国の中で最も少ないことは学術的にも有名な話です。今回も長文となってしまいましたが、ここまで読んでいただいた読者の方に感謝を示し、終わりたいと思います。

 

参考文献

危機に直面する霞ヶ関 | 衆議院議員 河野太郎公式サイト 

これは、衆議院議員で現行政改革担当大臣の河野太郎氏のブログです。国会議員の視点から霞が関の官僚を目指す学生が少なくなっていることを危惧しています。

 

Amazon.co.jp: ブラック霞が関(新潮新書) eBook: 千正康裕: Kindleストア

この本は、元厚生労働省のキャリア官僚である千正氏が自身の経験などを基に官僚の働き方改革の必要性や昔と今で官僚の仕事がどう変わったのかが書かれています。官僚の仕事の本質や民間とは違う特殊な働き方を理解したい方にオススメの本です。

 

眠らない官僚|NHK NEWS WEB

NHKの官僚の働き方についての報道です。最近になってようやくマスコミも官僚の働き方について問題意識を持ってきたという印象があります。

 

http://www.esri.go.jp/jp/prj/hou/hou021/hou21.pdf

内閣府の経済社会総合研究所が出したものです。これをみると、過去の公務員叩きがいかに的を射ないものであったか知ることができます。

選択的夫婦別姓制度の議論について

 時間がなくてなかなか更新できませんでしたが、2回目となるブログの投稿です。今回は最近SNS等で再び話題になっている選択的夫婦別姓制度について書いていこうと思います。※エビデンスに基づいて書いていますが、個人的な考えも含みますのでご了承ください。

 

1.はじめに

 まず私自身、選択的夫婦別姓制度の導入に賛成の立場です。ただ、一部の左派やフェミニストのいう「同性義務によって女性が男性に隷属物になっている」から賛成だなどと言うつもりはありません。なぜなら、結婚によって女性が「隷属する」と思うのなら結婚しなければ良い話だし、そもそも大半の人は結婚に伴い同性になることで女性が男性に隷属するなどとは思っていないからです。また、同性義務は女性にのみあるのではなく、男性が女性側の姓に変更するケース(いわゆる婿入り)もあります。

 

2.ではなぜ賛成するのか

 ではどういう理由で私が賛成しているのかというと、多様化するこの社会で選択肢を増やすためであります。この現代日本において、男性も女性も同様に社会進出するようになり、道半ばとはいえ女性が企業等の重役に就くこともクリエイティブな職に就くことも珍しくなくなってきました。そうした中、結婚して姓が変わることは社会で働く者として非常に大きな負担となっています。これは、手続き上の問題のみならず姓が変わることで仕事の関係者に再び名前を覚えてもらわなければならないなどの問題でもあり、仕事内容によっては収入にも支障を来すかもしれません。これは、近年の晩婚化や少子化等の社会課題の要因のひとつともいえます。(もちろん、晩婚化や少子化の大きな要因は非正規雇用の増加や核家族化だと理解しております。)

 

3.選択的夫婦別姓制度導入の現状

 最近出てきたように見える選択的夫婦別姓制度導入に関する議論ですが、実は80年代の後半から政治の場において度々議論されてきました。というのも、主要先進国で同性義務を定めているのは日本だけであり、1985年の女子差別撤廃条約への締結以降、国連の女子差別撤廃委員会から「日本も夫婦別姓を導入すべき」という勧告がなされるようになったからです。しかしながら、日本では既に「夫婦は同姓であるもの」という価値観が浸透しており国民の中にも反対派が多かったことや保守政党である自民党が長らく与党であったことにより制度導入には至りませんでした。また、憲法14条の法の下の平等に反するとして裁判も行われましたが、最高裁は同性義務が女性に限られないことと夫婦同姓の価値観が浸透しており同性義務には合理性があることを理由として原告側は敗訴しました。ところで、この判決が「不当判決だ」と言う者がいますが、その意見は全く的を射ていません。なぜなら、明白に不当なものでない限りは、従来の価値観の変化によって法律を変えるかどうかは主権者たる国民の議論において決めるものであり、国民の代表者でもない裁判所によって強制されるなど民主主義の否定につながるからです。さて本題に戻って、現在の選択的夫婦別姓の国民の意見がどのようになっているかを見ていきたいと思います。よく、インターネットで「夫婦別姓に賛成しているのは8割近くいる」という記事を見かけますが、よく見るとこのデータはインターネットのアンケートでとられたものであり、年齢・性別のバイアスがあると推定されるため、これを国民の総意と捉えることはできないと思います。そこで今回は法務省が行った調査結果を見ていきたいと思います。これによると、平成8年は「必ず同姓であるべきで現行のままでよい」と答えた人の割合が39.8%でしたが、平成29年の調査では29.3%まで減少していることが見えてきます。そして、平成29年の調査で「(夫婦別姓のために)法律を改正してもよい」と答えた人の割合は42.5%となっており、平成8年に比べて10%増加していることが分かりました。また、平成29年の調査では年代別でも行っており、40歳未満の世代では半数以上が、40歳以上60歳未満の世代でも半数近くが「(夫婦別姓のために)法律を改正してもよい」と答えており、これからの日本を担う世代や現役世代では選択的夫婦別姓制度導入への理解が進んできていることがうかがえます。

 

4.選択的夫婦別姓に反対派について

 賛成派の意見として「選択できるのだから、反対する人は同姓を選べばいいだけ」というものがありますが、それほど簡単に割り切れる問題ではありません。したがって、ここでは反対意見にも目を背けずに見ていこうと思います。反対派の意見として代表的なものは「家族姓(同姓)によって家族の一体性が出て、家族の絆や愛が生まれるから」というものと「別姓だと生まれてくる子がかわいそうだ」という意見があると思います。ではこれから、これら2つの意見を順に見ていきたいと思います。

 まず1つ目の意見ですが、第173回国会において出された選択的夫婦別姓の法制化反対に関する請願のいう「(選択的とはいえ別姓を選べるとなると)個人主義的な思想を持つ者を社会や政府が公認したようなことになる。現在、家族や地域社会などの共同体の機能が損なわれ~」といった懸念が100%ないとは言い切れません。しかしながら、―私のような若輩者が家族の絆がどうだとか言う立場にないがー そもそも絆や愛が育むことができると思ったから結婚の選択肢に至るのであって、結婚したから家族の絆や愛が自動的に育まれるわけではないことは言い切れます。現に、配偶者と死別をして姓を戻したとしても義理の親と互いに支え合って暮らしている家庭もあれば、逆に結婚していても子に虐待したり配偶者に暴力を振ったりする家庭もあります。また夫婦別姓で離婚率が上がるなどと言いますが、総務省統計局のデータによると日本の離婚率が1.7%、文化的価値観が日本に近く夫婦の同姓義務はないイギリスでは1.9%となっており、さほど変わりはありません。日本人の価値観として結婚は古来からある神聖なるものと認識されがちですが、そもそも論として、現在のような同姓義務を含む婚姻制度のはじまりは明治時代からであり、それ以前は庶民や女性に姓がない上、身分の高い男性は妻が複数人いるのが当たり前でした。しかしながら、明治時代になり日本が列強の仲間入りを果たすためには「一夫多妻制は卑しく、文明国家として認めない」という当時のヨーロッパ諸国の価値観に従う必要があった上、近代国家として戸籍管理の画一化・効率化の必要性の要請、子の父が誰なのかという訴訟を減らすなど様々な要因があり生まれた制度でした。つまり、婚姻制度も同姓義務も当初は単なる国家運営の効率化と日本が列強入りするための道具としてできた制度にすぎないのです。それがいつしか、家族の絆などという道徳的なものと結びつき、あたかも古来から存在する伝統的なものとして誤認されるようになったわけです。

 そして2つ目の意見に関しては、父と母が同姓でない子供がかわいそうなどという発想自体が時代遅れだと言わざるを得ません。なぜなら、現行の制度でも国際結婚の場合は夫と妻の姓は違うわけだし、離婚した夫婦の子は父か母どちらか一方の姓になるわけであります。しかし、そうした環境にいる子供たちが全て可哀想などといえるでしょうか? いいえ、そんなはずはありません。むしろ、世間体を気にして離婚せず、ぎすぎすした家庭環境で住んでいる子供の方が日々精神的ストレスを感じて可哀想だといえます。つまり、父・母・子が同じ姓でない=可哀想な子供などというのは周囲の勝手な偏見であります。また、そうした子供は学校でいじめに遭うから可哀想などと言うのは、周囲の大人がそうした子は特殊で可哀想な存在だと認識するからこそ、子供の側も「あいつは自分たちと違った存在だ」と偏見が起きてイジメが起きるのであって、夫婦別姓がどうこうと論じる以前に偏見をなくすための議論をすべきだとつくづく感じます。

 

5.さいごに

 結論として、これからの日本を担う世代と現役世代の意見として「選択的夫婦別姓のために法律を改正しても良い」という意見が約半数ある以上は実際に法を改正する政治の場においても、国民においても積極的に議論すべきだと感じます。その際、左派においても右派においても正しい理解のもと議論を進める必要があります。かりにも「同姓義務は女性差別だ」や「同姓によって家族の絆は保たれている」などという単純で的を射ない議論になるのであれば、議論は平行線をたどり結果的に「会議は踊る、されど進まず」という具合になるのは間違いありません。長文となってしまいましたが、読者の皆様がこの問題を考える上で現状の理解の参考になったと思えていただけたのなら幸いです。

 

本記事で紹介したデータ等の参考文献

http://www.moj.go.jp/content/001271414.pdf (法務省 選択的夫婦別姓制度に関する調査)

選択的夫婦別姓の法制化反対に関する請願:請願の要旨:参議院

https://www.stat.go.jp/data/sekai/pdf/2018al.pdf (総務省統計局 世界の統計)

ブログを始めました

自己紹介、、

「Japan News Channel」というYouTubeチャンネルを開設している私ですが、この度Hatena Blogにてブログを始めました!!さて、YouTubeやブログをしているというと、なにかクリエイティブな仕事をしている(若しくは"しようとしている")のではないかと勘違いされてしまうかもしれませんが、私は単に個人的な趣味で始めました。基本的に平日は本業があるため、投稿頻度はさほど多くはないと先に宣言しておきます。ところで、ブログの名前にしてもYouTubeのチャンネル名にしてもやけに英語が多いと思われるかもしれませんが、私自身あまり英語は得意でありません。それどころか、今になって「これからは英語ができなければキャリアに響く」と思い学び直している始末です。それはさておき、名称に英語が多い理由は非常に単純で日本語だと響きが良いものが思いつかなかったので英語にしてみたという理由です。あまり自己紹介ぽくなっていませんが、そんな経緯で始めた次第です。

 

※令和3年1月27日からYouTubeチャンネル名を「10代.20代のための知恵袋CH」に変更いたしました。

 

どういったブログにするのか、、、

 ここでは主に、YouTube動画で上げている国内外のニュースに関すること、公務員試験に関することをより詳しく、また私自身の個人的な感想を投稿しようと思っています!しかしながら、冒頭に書いたように趣味でやっているので、思ったことを気ままに投稿することになると思います。

 

最後に、、、

 ここまで自己紹介とブログの趣旨について書いてきましたが、つまるところ気ままに投稿しますので気に入っていただけたら読んでもらえるとうれしいです!!また、YouTubeTwitterもやっていますので、よろしければご覧ください!

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